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Platform Engineering とそれをとり巻く用語を理解する

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最近自分の役職を聞かれると、バックエンドをメインで1年くらいやっているものの、バックエンドエンジニアを名乗る勇気はなかったので、フルスタックのソフトウェアエンジニアと答えていた。これは、データベースの設計やクエリのパフォーマンス改善などの経験がなく、サーバー周りの専門性を持ってないと思っていることが理由にある。

フルスタックのソフトウェアエンジニアと聞くと、一般的にはチームトポロジーの Stream Aligned Team に所属していると思われそうである。ただ、それは自分の今までの経歴から少し違うなと感じていて、自分は一体何エンジニアなのだろうかと思うようになった。

色々調べていると、「Platform Engineering」が自分の今までやってきたことに近そうだった。「Platform Engineering」の定義は、ガートナーによると次のようになっている。

プラットフォーム・エンジニアリングとは、ソフトウェアの開発とデリバリを目的とした、セルフサービス型の開発者プラットフォームの構築と運用に関する専門分野です。 プラットフォーム・エンジニアリングは、セルフサービス機能とインフラストラクチャ・オペレーションの自動化により、開発者のエクスペリエンスと生産性を向上させます。

これに該当しそうな活動をあげてみると、サービスという単位のものを作った経験はあまりないが、開発者の生産性向上に対して意識が高そうである。あまり最近は聞かないけど、もしかしたら DevOps エンジニアの方が適切かもしれない。

このことを踏まえて、自分は 「Platform Engineering」をやってきた or やってきたい人と名乗って良いのか、というところを調べ始めた。界隈では 「SRE」との棲み分けが難しいようだったが、次のメルカリの人のツイートのまとめがわかりやすかった。

https://x.com/deeeet/status/1700352312542478598

まとめるとこうである。

SRE を Enabling Team と捉えるのはとてもしっくりはきていて、似たようなことは最近読んだ 「SRE サイトリライアビリティエンジニアリング」にも書いてあった。

次のスライドで解説されている SRE と Platform Engineering のモチベーションの違いもしっくりきた。自分はスクラムでソフトウェア開発していたので、Platform Engineering と同じ向きにモチベーションが向いていそう。

あなたの興味は信頼性?それとも生産性? SREとしてのキャリアに悩むみなさまに伝えたい選択肢
SRE Kaigi 2025で発表した資料です
speakerdeck.com
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ただ、世の中の SRE として募集されているポジションは Enabling Team なのか?そうではなくない?という疑問を持つんだけど、SRE チームがたどるフェーズがあることを知った。

SREがたどる4つのフェーズ - ともにかける
SREのプラクティス導入による文化面の変化などを踏まえ、「火消し」「門番」「パートナー」「触媒」の4フェーズを紹介します。自チームの現状把握と今後の方向性を検討する上での材料になったら幸いです。*1 火消しフェーズ 火消しフェーズ 初期段階では開発チームが機能開発のタスク(Feature Task)に注力し、サービスに必要な信頼性に関するタスク(Reliability Task)が対応領域に含まれないことがあります。このフェーズではSREチームが火消し部隊としてReliability Taskを巻き取り、信頼性の向上に努めます。コラボレーションなどは考慮されず、火消しが最優先となります。そのた…
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つまり、理想は Enabling Team なんだけど、SRE チーム導入の初期の頃はそうはなっていなくて、サービスの運用を自分たちでなんとかする期間があるという感じ。ベンチャーとかだと人が少ないので、enabling っぽくならないのは想像できる。

で、結局自分は今それから今後何エンジニアになりたいの?という話だけど、こんな感じの感触になった。